ほんとは恐くないボスニア・ヘルツェゴビナ

ボスニア・ヘルツェゴビナに来ています。
もともとは名前を聞いただけで紛争のことをイメージしてしまったりして来るのを躊躇していたのですが、来てみると街はきれいで人は優しく自然も豊かで良い所です。

今いるモスタルという所は、町の中を川が流れていて花が多いのでとても雰囲気が良い
(ボスニアのものかと思ったビールはチェコのものだったけど)

どの国に行っても良い所だって言っているような気もするんですが、THE 観光地というか観光客で溢れかえっているような場所はあんまり得意じゃない。
どんな人だって観光客が多いよりは少ない方が良いかとは思うんですが、自分はその傾向が顕著な気がします。
この前まで、アドリア海の真珠と言われるクロアチアのドゥブロヴニクにいて、たしかに本当にきれいな所なんですが、特にメインとなる旧市街のあたりは完成された観光地という感じがすごく強く、個人的にはそこまで気持ちは高まりませんでした。
街に限らず、未完成なものは危ういけどこれからの展開が楽しみだったりして独特の良さがありますよね。これ以上書くと色々支障をきたしそうなのでやめますが。

ちなみに、きれいな場所のことを○○の真珠って言ったりしますけど、あれなんで真珠一択なんですかね。
この前行ったロシアのバイカル湖はシベリアの真珠と言われていて、あれはたしかに凍ると白っぽくなるのでまだなんとなく納得できるんですが、ドゥブロヴニクの街並みは上から見ると完全にオレンジです。

ドゥブロヴニクの街並み。「アドリア海のルビー」とか言われれば分かる気がする

自分はこのあたりの地域の歴史とか全く分からなかったので、ちょっと調べたりしました。
ユーゴスラビアの1構成国だったボスニア・ヘルツェゴビナには、イスラム系のボシュニャク人とクロアチア人、セルビア人の3民族が住んでいて、1992〜1995年のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争では、その3者が戦いました。

モスタルの街並み。川の右側はボシュニャク人、左側はクロアチア人が住んでる

紛争時にクロアチア人のスナイパーが立て籠もって狙撃していたという建物。廃墟の中から今は平和になった街並みが見える


今でも物騒なことが書いてある。彼氏がいるかとかあんまり気にしなくて良いと思う

直訳:赤ん坊のイエスはラコステのシャツの中に生まれてきた訳ではない
それはたしかにそうだろうという感じ

ラコステに関する習作。惜しい

隣の公園にはブルース・リーの像があった。平和の象徴ということらしい。けっこう戦ってる気がするけど

今日は宿のおじさんに近くの観光地へのプチツアーに連れて行ってもらった。

こういうプチツアーはどの宿でもやっていて、行き先はどこもすごく良いし、半日回って1人25€くらいと手頃なので、モスタル行く人にはぜひおすすめ
(このブログを読んでいる人の中にボスニア・ヘルツェゴビナに行く人がどれだけいるか分かりませんが)

おじさんは「今のボスニア・ヘルツェゴビナの一番の問題は雇用だ」と言っていた。
彼の息子さんは大学を卒業したものの、定職に付けず、今はカフェでバイトしているらしい。
昨日登った塔で案内の仕事をしていたお兄さんも、「本当はITの仕事をしたくて、自分で勉強もしたんだけど仕事が見つからなくて…」と言っていた。
彼の今の収入は年間で数十万円らしい。
街を歩いていると、これでもかいというくらい同じような土産物を売っている店が多く、どこも案の定繁盛していない。(あれでどうやって生活しているのだろうかと思う)
物乞いの人もけっこういる。

失業率を見てみると、紛争終了後もある程度以降からは横ばいの推移。
失業率が高いと言われるヨーロッパの中でも2016年時点で最も高い失業率だった*。
画像の出典:世界経済のネタ帳

この前、内館牧子の『終わった人』という本を読んだ。
バリバリ働いていて定年退職したおじさんがその後の生きがいを探して悪戦苦闘する話で、その中で主人公が「働くことが生きがい」ということを繰り返し言っていた。
60歳くらいで定年してから死ぬまでの何十年間か、毎日やりたいこともなくやるべきこともなく過ごさなきゃいけないとしたら、それは生き地獄に近いなと思う。

自分は7月から「働く喜び」を広げることをミッションに掲げている会社に行くのだけど、その「働く喜び」という言葉に今まで正直ピンと来ていなかった。
でも、今回本を読んだり実際に雇用の問題を目の当たりにしたりして、働くことが一つの生きがいになりうるのは事実なんだろうなあということを痛感した。

自分自身が年をとったらどう過ごしたいのかというのもかなり真面目に考えておかなきゃなあと思う。
比較的多趣味なので、趣味が無いということで困ることは無さそうなものの、自分にとってはインプットとアウトプットのバランスがかなり大事だと最近感じる。(このブログを始めた理由もアウトプットをする機会を増やしていきたい、ということだった)
なので、仕事でも趣味の何かでも良いんだけど、何かを作っていくというかアウトプットしていくというか、そういう機会はしっかり確保して、そのために努力していかなきゃなあと思う。
(一人旅はどうしてもインプットに偏りがちなので、今のところこのブログはわりと良いはけ口になってる感じがする)

最後の方でハイパー意識高い感じになりましたが、単に自分が気持ちよく人生を過ごしたいだけです。
一生青春ではなくても良いと思うけど、死ぬまで人生楽しんでいたいなあ。

Comments

  1. Replies
    1. どなたか分かりませんが、ありがとうございます!コメント嬉しいです

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