心の蓋の仕方、楽な呼吸
RADWIMPSの空窓という曲が好きだ
3.11の7年後に、その年に福島の高校を卒業した子たちの文章を元に作った曲で、日常の中に急に大きな不幸が起こった時、悲しみもまともに感じることができないまま色々なことが進み、でも少しずつ状況を咀嚼して前を向いて、それでもたまに後ろを振り返りたくなる、そんな心情が穏やかにリアルに描かれている
自分は3.11の3年後のちょうど3月11日に大事な友だちを失ったことがあり、それからもう5年以上経つけど、今でもふとした時に彼のことを思い出す
もう前を向けない訳ではないし、以前の突き上げるような悲しさはないけど、それでもたまにどうしようもない喪失感に襲われることがある
きっとこれは自分が死ぬまで続くだろうし、それをどうにかしたいとは今は思わない
心の蓋の仕方はなんとなくわかってきたけど、でもたまにそれを開けることは許してほしいなと思ってる
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最近ずっとはまっている『王様達のヴァイキング』という漫画がある
若いハッカー達とそれを支えるエンジェル投資家の話で、ハッカーがその力を使って想像もつかない大きなことを次々とやってのける様は痛快だし、それを支えるエンジェル投資家は人生の滋味を経験した大人でかっこいいし、得られる感動も考えさせられることも多い
その中で、凄惨な原体験を元に、周りに大きな迷惑をかけながらも、大きな目標のために駆け抜けてきたハッカーの姉弟に対して、エンジェル投資家が下のように語るシーンがある
上の言葉に、自分もすごく救われた感じがした
これは良くない、こうした方が良い、これは正しい、これは正しくない、
という意見はたくさんある
でも、個人個人にとって大切なのはそんな社会的な正しさではなくて、その本人が少しでも楽に、少しでも幸せに生きられるかどうかでしかない
もちろん周りに迷惑をかけるのは基本的には良くない
でも、本当にクリティカルな状況にある時、その本人に大事なのは、まずは呼吸を整えること、自分のペースで息を吸って吐けること、だろう
ある人が自分にとって楽な振る舞いをすることで、別の人が苦しくなることもある。そのトレードオフは永遠に難しい
ただ、なるべく少しでも多くの人が楽に呼吸をできるよう、どれだけ難しくても少しでもそういった方向に持っていけるような努力はずっとしていたいと思う
5年前の3月11日に亡くなった友だちは、その数ヶ月前に最後に会った時、
「森はさ、何者かになると思うよ。がんばれ」
ということを言った
別に何者かになりたい訳じゃない。そんなことより、もっと一緒に遊びたかった。
でも彼から最後にもらったメッセージだし、死ぬまでそれを心に持っていようと思っている
この記事は元々別のメディアに書いた内容を移管したものです
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